北九州記念

勝ったのはサンダルフォン。行き脚の付かないタイプの鈍足スプリンターですが、ゴール前の伸び脚は見違えるようにシャープ。しかしゴール前あと一歩のところまでは迫っても勝利するには程遠い印象が常にありました。それが今回、道中の行きっぷり良く中位を追走。抜群の手応えで馬群の隙間を見つける優等生な競馬を披露して見せ、後は持ち前の末脚爆発。アテにしづらい馬のはずが勝って納得のソツのないレースぶりでファンをアッと言わせました。今後はこのパターンを繰り返せるかが展望を開くポイントでしょう。
2着レディルージュ。近走の良績と軽ハンデが支持を集め2番人気。好スタートから馬場の良い外めを終始追走し、ゴール前もジリジリと伸びては来ましたが、変身した勝ち馬を捕らえるには至らず。しかし好内容の競馬。ハンデに恵まれた観こそ否めないものの、1400m以下での堅実な実績は無視できないもの。次走以降も注意が必要となりそうです。
1番人気カノヤザクラは3着。スタートは速くはなかったものの五分の出。道中も中団のインをロスなく周ったように見えましたが、ゴール前の伸び脚にいつもの切れは見られませんでした。あるいは外目から加速を付けつつ差して来るパターンで真価を発揮する馬なのかもしれません。

北九州記念

カノヤザクラ
○メリッサ
▲コウユーキズナ
×メイショウトッパー
×シャウトライン
クールシャローン
サンダルフォン
▽コスモベル

カノヤザクラ。ハンデ56kgも実績を素直に評価。ここ数戦スタート難が影を潜めており、開催後半とはいえ内の馬場もそれほど悪くなく、4番枠が功を奏してきそうな気配。馬群がバラければ言わずと知れた豪快な差し脚が存分に発揮されるはずです。
○メリッサ。前走勝った内容が良くいきなりの重賞挑戦も支持を集めそうな今回。スタートに不安なく特段の癖も見られません。上手に立ち回って直線の追い較べでどうか。52kgは魅力。
▲コウユーキズナ。前走は荒れた馬場の最内枠で持ち味を殺された印象。度外視して良い内容で1200mの安定感を買います。
×メイショウトッパー。最内枠もそれほどの馬場差はなく、小倉得意の角田騎手の思い切った騎乗に期待します。シャウトラインの前走は力を出し切っていない印象で、人気を落としている今回が狙い目と見ました。
以下、クールシャローンサンダルフォン、コスモベルまで。


3連単フォーメーション
1着:04
2着:01,04,05,06,12
3着:01,03,04,05,06,09,12,13,15

関屋記念

スマイルジャックが久々の重賞V。出負けした前走とは違い好スタートを決め、後は鞍上三浦皇成騎手がレース後に語っていた通り「折り合うことだけを考えた」騎乗。思い返せばダービーの2着馬。折り合いがついた時の強さは大舞台で証明済み。殊にマイルの距離ともなれば終い甘くなる弱点も顔を覗かせることはなく、むしろ鋭い切れ味に持続力ある末脚が加わる鬼に金棒となったようです。これで3勝目とは思えない非の打ち所の無い競馬で快勝。鞍上とも手が合いそうで、秋のG1戦線に堂々名乗りをあげたと言って差し支えないでしょう。
2着に1番人気ヒカルオオゾラ。スタートは一息。しかしこの馬も不安は折り合い一点。前走自滅し、最終追い切りでは調教助手を背に著しく折り合いを欠いた気難しさを、後方で武豊騎手が巧みに乗りこなし、直線も馬場の良い大外を選んで必勝体勢を築きましたが、最後は勝ち馬の強さに屈しました。様々なテーマを持って臨んだレース。不安と課題を一つ一つ解消して行きながらの未完成型。折り合いに収穫のあった今回、また一歩完成型に近づきました。重賞制覇までもう一歩。
3着にマイネルスケルツィ。実力馬でいつも大崩れのない馬ですが、ここのところ実績から見て格下と思われた馬たち相手に勝てないレースが続いていたせいか、休養明けとはいえ13番人気の低評価。展開に恵まれた面もありましたが、先週のダンスアジョイと同じように明らかに人気の盲点でした。
4着に昨年の皐月賞馬でこれがそのレース以来骨折休養明けの出走となったキャプテントゥーレ。相変わらずの先行力で休養前のイメージと変わらないレース振り。最後まで接戦となった3着争いを繰り広げ、まずは良い出だしと言って良いでしょう。G1馬ですがこれが初の古馬との対戦。力関係が測れなかった分G1馬の称号をそのまま能力評価へと繋げてよいものかどうか。2戦目が試金石となりそうです。
安田記念5着馬で5番人気に推されたライブコンサートは7着。内の若干馬場が悪いところを通ってしまったことも敗因でしょうが、前走惨敗を喫しているようにまだ状態一息ということなのでしょう。3番人気の支持を集めた前年覇者マルカシェンクは16着惨敗。元々捲って出て脚を持続させるような競馬の出来ない馬で、スローペースといえども後方でジッとしていた方がこの馬の持ち味は活きたでしょう。今回は度外視出来ますが、相変わらずのスタート難。年齢を重ねるごとに酷くなっている印象です。

函館2歳S

勝ったのはステラリード。中間のマスコミ報道ではそれほど注目を集めず、キョウエイアシュラ辺りが一番人気になるのかと思いきや、ファンの見る目は確か。見事その支持に応えて世代最初の重賞勝ち馬となりました。初戦はあまりゲートの出が良く見えず、今回最内1番枠での出走に不安を感じさせましたが、岩田騎手が見事にスタートを決めて見せ、中団やや前でインのポケットに入れるような位置取り。バテた馬と脚色の残っている馬との間隙を突くこの鞍上の必勝パターンで抜け出しました。父スペシャルウィークの産駒らしく豪快に四肢を伸ばすフットワークは、距離が伸びて更に良化する可能性を感じさせます。今後が楽しみ。
2着に2番人気のキョウエイアシュラ。勝ち馬同様スタートに不安を持つ馬でしたが、大外枠を引き当てたことによりゲート最後入れの特権を獲得。予想された通り見事な好スタートを決めて見せましたが、3コーナーでの不利があまりにも痛く、必要以上に大外を振り回される結果を生みました。最後はアタマの差だけしかなかったことからも、スムーズであれば勝利も有り得た悔いの残る内容。確かな能力は見せました。今後は朝日杯FSから逆算したローテーションが組まれる模様で、順調に成長を遂げることさえ出来れば気の早い話ですが期待が持てるでしょう。
3着にソムニア。初戦勝ちの内容こそ良かったものの時計平凡で今回、中穴程度の支持に甘んじはしましたが、結果から見ればやはり秘めた能力は非凡なものがありました。2着馬と同じく大外を周って最後に脚を伸ばし、勝ち馬とは0.2差だけ。上がり3ハロンはメンバー中2位タイのタイムを計時しており、距離が伸びて更にこの末脚が活きてきそうな気配。血統的にも将来楽しみ。
他人気馬をピックアップ。ノーワンエルスは大きく出遅れ。マルカシェンクの一族でそのマルカシェンクも同日関屋記念で大出遅れという、何やら浅からぬ縁を感じさせる皮肉な内容。後方から6着に押し上げたことを評価すべきでしょう。チェリーソウマは今日も先手を奪いスピードをフルに活かす競馬で7着。能力を出し切っており現状これが精一杯ということなのでしょう。3番人気に推されたロジディオンは10着。センスを感じさせる馬ですが今回は非力さが目立った印象でした。一本芯が入ってくれば将来性のある馬で楽しみです。

関屋記念

ヒカルオオゾラ
スマイルジャック
ライブコンサート
×キングストレイル
×ヤマニンエマイユ
▽カネトシツヨシオー


ヒカルオオゾラ。能力はメンバーを見渡しても随一と認められるでしょう。前走エプソムCは前向きさを前面に出し過ぎてゴール前で息切れ。しかし、内容は勝ったシンゲンと同等かそれ以上のもので、いつ重賞を勝っても良い印象を残しました。そろそろ。
スマイルジャック。前走安田記念は後方からの競馬でしたが鞍上が上手に道中を過ごさせたことで直線も抜群の手応え。前の馬に躓きそこで終わってしまいましたが、それでもゴール前バテた馬たちを交わしてゆく脚は目を見張るものがあり、スムーズならばと悔やまれる結果でした。掛かりやすい馬でテン乗りを心配しての2番手評価。能力は引けを取らないと思います。
ライブコンサート。前走米子Sの負けが不可解ですが、凡走の後に好走のある馬。あまり深く考える必要もないと思います。安田記念で強豪相手に好走した実績が光ります。
以下、キングストレイル、ヤマニンエマイユ、カネトシツヨシオーまで。

3連単フォーメーション
1着 :12,13
2着 :03,07,12,13,18
3着 :01,03,07,12,13,18

結果

札幌で安目的中です。うーん。

函館2歳S

ステラリード
○チェリーソウマ
▲キョウエイアシュラ
×インテグラルヘッド
×ソムニア
▽ロジディオン
エスカーダ
ステラリード。デビュー戦の勝ちっぷりが強い内容で時計も優秀。ゲートが遅く最内枠はやや割引材料かも分かりませんが、2戦目の上積みでその辺りが解消されていれば、スタートの得意な岩田騎手のこと、難なくこなしても可笑しくはありません。
○チェリーソウマ。スンナリ先手を切れれば必ず粘りを発揮するはずですが、番手からでも競馬は可能と思います。同型馬の出方次第で融通に対処することでしょう。スピードを活かす競馬で。
▲キョウエイアシュラ。中間一頓挫あったことでやや評価を下げましたが、メンバー中唯一の2勝馬ということでやはり軽視出来ません。ゲートが悪い分、大外枠は強気になれます。
×インテグラルヘッド。デビュー戦はロジディオンに屈しましたが、若さを見せてのもので実質的に競馬をしていない印象。2戦目で大きな変わり身を見せたように、ただその一戦だけをもってロジディオンとの能力差を決め付けてしまうのは早計です。スムーズな競馬が出来れば。
×ソムニア。デビュー戦はインコースがポッカリを開いたのが功を奏した印象もありますが、そこからの伸び脚は素晴らしく、スペシャルウィーク産駒らしく距離が伸びての将来性を感じさせるものでした。現時点での評価はこの辺りの印が妥当と判断。
以下、センス抜群ロジディオン、豊富なキャリアがアドバンテージになりそうなエスカーダまで。

3連単 1着ながし
1着:01
相手:03,07,11,13,14,16