関屋記念

スマイルジャックが久々の重賞V。出負けした前走とは違い好スタートを決め、後は鞍上三浦皇成騎手がレース後に語っていた通り「折り合うことだけを考えた」騎乗。思い返せばダービーの2着馬。折り合いがついた時の強さは大舞台で証明済み。殊にマイルの距離ともなれば終い甘くなる弱点も顔を覗かせることはなく、むしろ鋭い切れ味に持続力ある末脚が加わる鬼に金棒となったようです。これで3勝目とは思えない非の打ち所の無い競馬で快勝。鞍上とも手が合いそうで、秋のG1戦線に堂々名乗りをあげたと言って差し支えないでしょう。
2着に1番人気ヒカルオオゾラ。スタートは一息。しかしこの馬も不安は折り合い一点。前走自滅し、最終追い切りでは調教助手を背に著しく折り合いを欠いた気難しさを、後方で武豊騎手が巧みに乗りこなし、直線も馬場の良い大外を選んで必勝体勢を築きましたが、最後は勝ち馬の強さに屈しました。様々なテーマを持って臨んだレース。不安と課題を一つ一つ解消して行きながらの未完成型。折り合いに収穫のあった今回、また一歩完成型に近づきました。重賞制覇までもう一歩。
3着にマイネルスケルツィ。実力馬でいつも大崩れのない馬ですが、ここのところ実績から見て格下と思われた馬たち相手に勝てないレースが続いていたせいか、休養明けとはいえ13番人気の低評価。展開に恵まれた面もありましたが、先週のダンスアジョイと同じように明らかに人気の盲点でした。
4着に昨年の皐月賞馬でこれがそのレース以来骨折休養明けの出走となったキャプテントゥーレ。相変わらずの先行力で休養前のイメージと変わらないレース振り。最後まで接戦となった3着争いを繰り広げ、まずは良い出だしと言って良いでしょう。G1馬ですがこれが初の古馬との対戦。力関係が測れなかった分G1馬の称号をそのまま能力評価へと繋げてよいものかどうか。2戦目が試金石となりそうです。
安田記念5着馬で5番人気に推されたライブコンサートは7着。内の若干馬場が悪いところを通ってしまったことも敗因でしょうが、前走惨敗を喫しているようにまだ状態一息ということなのでしょう。3番人気の支持を集めた前年覇者マルカシェンクは16着惨敗。元々捲って出て脚を持続させるような競馬の出来ない馬で、スローペースといえども後方でジッとしていた方がこの馬の持ち味は活きたでしょう。今回は度外視出来ますが、相変わらずのスタート難。年齢を重ねるごとに酷くなっている印象です。