ファンタジーS

京都はファンタジーS。稀に見る高速馬場を象徴するかような前残りの展開をアストンマーチャンが5馬身突き抜けて圧勝しました。長らく1400mの壁とされた1分20秒台を2歳馬が切ろうかという時計は、馬場の高速化とともに日本の競走馬がスピード化されたことを如実に表していたような気がします。
アストンマーチャンはほとんど追ったところナシで圧勝して見せましたが、これが1マイルでそのまま信用できるかといわれれば、疑問の余地を残すところです。1400mで史上初めて1分20秒台の壁を突き破ったサクラバクシンオーも、この1ハロンの壁に現役時代は泣かされたものです。京都と違い時計がかかる「だろう」馬場に直線に坂のある阪神コースは素軽さとキレに加えタフさが要求されます。絶対的な爆発力で押し切るには武豊が言うとおり「折り合いひとつ」でしょうか。
イクスキューズはアストンマーチャンと同様に折り合いに難のあるタイプでしょうか。1800mでも同じような競馬で3着に粘っているように、比較的距離に融通が利くタイプといえるのかもしれませんが、同じような競馬をしたアストンマーチャンに5馬身もの差をつけられてしまっては今日のところは完敗を認めるべきでしょう。
ハロースピードは最後の最後まで後手を踏まされ、高速馬場もあり満足な競馬が出来ませんでした。ただ4コーナーでの勝ち馬との差がそのままゴール前での着差になったので、そう悲観する内容でもなかった気がします。むしろあの展開で3着に来たことを評価するべきでしょう。こちらは本番で1ハロン延びることでアドバンテージを得られそうです。