フェブラリーS

4歳の大器2頭が7歳2強を抑え込みました。サクセスブロッケンは距離短縮と、内田博幸騎手が3度目の騎乗だったことが大きな勝因です。前走、前々走と、明らかに道中行きたがる素振りを見せ、勝負以前に折り合いの対処に騎手が追われるような状況。それでいて3着2回、着差もそれほどつかなかった点を鑑みますと、今回の6番人気(しかもエスポワールシチーからやや離された単勝オッズ)は低評価も甚だしいところ。最高のポジションで見事に折り合い、直線は内田騎手の激しいアクションに応え、ゴール前もう一伸びしてみせました。今後も距離が伸びて折り合いに課題を残しますが、王者として恥じない競馬を展開してくれることでしょう。
カジノドライヴの2着は、安藤勝騎手のソツのないレース運びからもたらされたものではありますが、カネヒキリとの追い較べを制したように、馬そのものも底力をつけているとみて良いでしょう。しかし、もっとやれたのではないかという思いもあります。懸念された馬体重もプラス10kgに留まり、走れる体勢にあったはずとは思いますが、急遽の出走決定に調整の狂いが本当に生じていなかったのかどうか。最終追い切り後、直前に坂路で猛時計を出した点に正直なところ疑問を残します。ドバイに向けては展望も開けたかとは思います。
3着は王者カネヒキリ。1枠2番はやはり窮屈な競馬を強いられる不利となってしまいました。逃げたのが4着のエスポワールシチー、外にはカジノドライヴサクセスブロッケン。強豪各馬に囲まれての4番手では、やや、コース取りが制限されるのも致し方なし。しかしながら僅差の3着。王者たる底力は証明してみせたと思います。
4着のエスポワールシチーは自分の形に持っていってのもの。現状はこれが精一杯でしょう。今後は更なる能力の底上げがGI獲りには必要となりそうです。5着フェラーリピサは大外枠を上手に生かせませんでした。ゲートを出てから岩田騎手が手綱を動かして先行する構えを見せたことで、馬がエキサイトした分、直線の伸びを欠いたと見て良いでしょう。逆に先行する構えをまるで見せなかった5着ヴァーミリアン武豊騎手ともども、非常にもったいない競馬でした。