天皇賞

混戦模様が伝えられ、馬券もそれを示すかのような配当を掲示して見せた今年の春の天皇賞でしたが、勝ったのは国内実績No.1のメイショウサムソンで順当な決着となりました。速いペースで飛ばした先行勢をはるか前方に見据えながら抜群の折り合いで息を潜めていたメイショウサムソン石橋守騎手が動いたのは3コーナー。馬ゴミから外めの間隙をついて一気に先行馬との差を詰めて直線入り口ではもう先頭。そこからは昨年の2冠馬の貫禄。一旦は外から交わされたエリモエクスパイアをゴール前で差し返し、栄光のゴール板を通過しました。距離適性や高速馬場への対応など昨年の菊花賞を4着に完敗した敗因は色々と取りざたされましたが、そんなものは全く関係ありませんでした。体調こそがあの時の敗因、そして今回の勝因です。
前哨戦の産経大阪杯では中距離でも強いところをまざまざと見せ付けたメイショウサムソンだけに、宝塚記念からなる今後の中距離G1でも高い期待が持てます。同じ父(オペラハウス)を持ち7年前、無敵の強さで丸1年8戦8勝の無敗の戦績で駆け抜けたテイエムオペラオーのような快進撃を繰り広げたとしてもおかしくはありません。海外挑戦のプランも持ち上がっているようで、いずれにしても期待が膨らみます。
波乱の立役者となった2着エリモエクスパイアは3着トウカイトリックと2月のダイヤモンドSで僅差の勝負を演じた長距離型です。あの時は初めて着用したチークピーシーズにより道中は力みながら走っており、そのロスさえなければと当時の鞍上横山典弘が悔やんでいたように、人気の一角を担ったトウカイトリックとの兼ね合いを考えれば人気の盲点となった馬でした。アイポッパーはスタートでの出遅れが全て。デルタブルースは絶好の展開でしたが勝負どころで全く動けず。レース後落鉄が判明したように、それを敗因とするべきでしょう。