当然の結果

アドマイヤムーンが能力どおり走って海外G1のタイトルをもぎ取りました。本田優元騎手が乗っていた2歳時には中団ぐらいから早目に前へ進出し後続を完封するといったレース振りだったのに対して、武豊騎手に手綱を移してからというもの一瞬の切れ味が身上のようなイメージに変貌しました。どちらが本当のこの馬の姿なのでしょうか。ドバイと前哨戦となった京都記念のレース振りから分析するにやはり後者でありましょう。この2戦、位置取りは確かに中団につける本田イメージの乗り方でしたが、直線で一気に他馬を撫で切る爆発力とゴール前での脚色の衰え方(武騎手が勝利を確信して手綱を抑えるより前に後続から迫る馬の脚色の方がムーンのそれを上回っているように見えます)は一瞬の切れ味を身上とする馬のそれです。中団に位置取ることが出来ているのは、ただ単にスタートと道中の行きっぷりが以前より良くなっただけの話。それはこの馬の成長を示すものです。元来持ち合わせていた能力に展開や馬場に泣かされない自在性の合わさったこの馬の勝利は、至極当然と呼べるものでした。次走は香港のQEⅡというプランですが、ここも能力どおりの走りさえ出来れば超えられないハードルではないはずです。
ダイワメジャーは完敗でした。スローペースの瞬発力勝負が敗因とされていますが、それにしても話されすぎです。喉鳴りの持病が乾いた気候に騎手も気がつかないレベルで響いてしまったのか、それとも初の海外遠征の反動か。国内競馬での見直しが必要です。