ドバイDAY

ドバイワールドカップに出走する日本馬は8頭。サスガ招待レース。遠征にリスクが少ない上に破格の賞金を貰えるとあっては参加しない手はないというもので名乗りを上げる馬が多いのも頷けます。以下苦言として。招待レースでなくともJRAより多額の報奨金ないし遠征費用の一部負担など国内競馬の国際化推進よりもむしろ遠征の支援・強化こそが日本馬の国際的評価を高め、引いては「日本の競走馬に勝つことは大変な偉業だ」と言わせしめることの方が国際化の近道ではないかと常々思っています。というわけで昨今のジャパンカップ衰退はJRAの海外志向を快く思わない国内競馬こそ盛り上げましょう的な思想によるものだと。まぁそのことは今日の大イベントとはあまり関係ないですね。閑話休題。本題であるドバイの私的展望をば。

デューティーフリー

優勝が最も期待されるのはドバイ・デューティーフリーに出走予定のダイワメジャーアドマイヤムーンの2騎ということになるでしょう。前者は言わずと知れた昨季JRA賞にも選出された日本を代表するマイル・中距離の雄。G1(当ブログでは世間がJpn1という表記に慣れるまで(??)はG1表記で統一します)を勝った1600〜2000mの中間距離ともいえる1777mという距離はまさにおあつらえ向きというかこの馬のために用意されたのではないかとまで想像を飛躍させるベストディスタンス。昨季有馬記念以来となるレース感覚も休み明け実績の確かさから不安になりはしないでしょう。枠も外13番枠。スタートさえ五分ならば日本と同じようにスピードで押し切る可能性大です。
アドマイヤムーンは前走京都記念を59kgで完勝。収穫は道悪や斤量の克服なんかよりも、先団で折り合い良く流れに乗り直線堂々と突き抜けたことに尽きます。武豊騎手が騎乗するようになってからというもの、後方待機から直線勝負に徹する傾向が強かったこの馬の戦法ですが、この京都記念でのレースぶりから展開次第で戦法に幅を持たせることが可能なはずです。この馬、潜在する能力は昨年春先までダービー最有力候補の1頭に挙げられたことが示す通り、ひょっとすると現4歳世代でナンバー1である可能性もあり、ディープインパクトの去った競馬界を一気に牽引していく存在になり得るかもしれません。海外での実績を手土産にするか。注目です。
相手筆頭は芝ダート兼用の古豪ラヴァマンでしょうか。コーリー・ナカタニ鞍上も不気味にうつります。

シーマクラシック

古馬中長距離路線でここ1年常に安定した成績を残してきたポップロックが挑みます。ここ2戦は前が詰まったり位置取りに失敗したりと不利に見舞われてはきましたがそれでも2着を死守してきたあたり地力の高さは疑いようもありません。海外遠征も昨秋の豪州遠征を成功させたように慣れたもの。あとはオリピエ・ペリエの手綱に託すのみです。相手は昨年ブリーダーズカップ・ターフの覇者レッドロックス。こちらもコーリー・ナカタニ。不気味。

ワールドカップ

クリストフ・ルメールを背にヴァーミリアンが挑戦。エルコンドルパサーの産駒による海外遠征とはまた浪漫ですね。それが父の挑戦した凱旋門賞と並ぶ世界最高峰の場であれば尚更です。芝での実績も充分でその後ダートに主戦場を移し活躍してきた同馬にとって、ドバイの馬場が主催者側(マクトゥーム一族)の意向により変えられることに不安はありません。実力さえ出し切れば。。。と言いたいところですが、強い馬が揃いすぎましたかね。圧勝続きで出走するごとにその評価を高めていく地元UAEのディスクリートキャットに、昨年ブリーダーズカップ・クラシックを制したウルグアイの英雄インヴァソールの2騎。とりわけディスクリートキャットは私が当時世界最強馬と言ってはばからず今もってその確信は揺るぎないものだと信じている(笑)ディープインパクトをもし打ち破ることが出来るとしたらこの馬であろうと思っていた程の猛者。主催者はこのディスクリートキャットのためにディスクリートキャットが最も「走りやすい」馬場にダートを調整して援護してくることでしょう。それでも国内で無類の強さを発揮しているヴァーミリアンには期待をしてしまうわけですが、まぁここは見せ場程度に止めておくのが無難でしょうか。ともあれ楽しみ。