フェブラリーS

リーディング1位をひた走る、安藤勝騎手の勢いはスゴイ。今季は先週まで24勝と勝ち鞍だけを見れば2位に付けている岩田康騎手に僅か2勝差にとどまるものの、勝率は.293、連帯率は.488とどちらも圧倒的な数字で重賞競走での印象度も満点です。そして今日、サンライズバッカスを駆りスタートで出遅れるも完璧な対処、誘導で今季最初となるJRAG1を制しました。抜群の安定感は馬券を買うファンの絶大な信頼を得ていることでしょう。その手綱捌きをどう形容するか、ピタリと当てはまる言葉がなかなか見当たりません。敢えて言うならば達人の域、いや、神がかりか。
シーキングザダイヤはどうしたのでしょうか。いつもより後ろからのレース運びになったのは速いラップを考えればごく自然といえますが、追い比べに強い馬が直線まるで伸びる気配を見せなかったのは極めて不可解です。武騎手は敗因は「分からない」と言います。競走馬にはよくある気まぐれの凡走なのか、それとも闘争本能の衰えなのか、その答えは次走に持ち越されそうです。アジュディミツオーははっきりと芝コースからのスタートに不向きです。
ブルーコンコルドの敗因は勝負どころで内側にもたれてしまったことですが、その不利を跳ね返して勝ち切るだけのプロセスをスタートから道中踏むことは出来なかったでしょうか。出遅れても前へ進出して勝ち切ったサンライズバッカスの安藤勝騎手と、好スタートから下げて大魚を逃した幸騎手。対照的。下げたなら下げたで前半無理をしなかったそのアドバンテージをどこかで生かす騎乗は出来なかったでしょうか。思えば現在東西リーディングの安藤勝騎手と今季まだ1勝どまりの幸騎手。幸騎手の実力がこの程度などとは思ってもないことですが、あるいは年明けからのバイオリズムが噛みあわないままG1競走に出てきてしまった時点で勝敗は決していたのかもしれません。安藤勝騎手とはこの部分でも極めて対照的でした。