Nova birth?

英雄の去った競馬界をにわかに色めき立たせているのが、今週きさらぎ賞に出走予定のオーシャンエイプスです。キャリア1戦の若駒に課された過剰な反応の出所は、ニュービギニングにも見られたようにディープインパクトの後釜を切望する競馬ファンとマスメディアの欲深さからなのでしょうが、その可能性を感じさせるだけの印象をとりあえずこの若駒がデビュー戦で見せたのもまた事実であります。
そのデビュー戦でこの馬に千切られた馬たちが、現在のところ各々2戦目の未勝利戦で勝ち上がることが出来ていない事実について、この馬の評価も分かれるようです。相手が弱すぎたのでは? との疑問の是非。確かにディープインパクトのデビュー戦で2着となりその後3連勝で重賞まで射止めたコンゴウリキシオークラスの馬はいないかもしれません。穴党の中には不確定要素の強い若駒にありがちな過剰評価と捉え、所謂「お客さん」視する者も少なくはないことでしょう。しかしながらデビュー戦の騎乗後、武豊が大賛辞を送り「追ったら飛ぶ?かな」とリップサービスに過ぎぬとはいえ暗に英雄と比較したことから、どちらかといえば不安よりも期待の方が比率として大きい下馬評となっているようです。
そして今日の最終追い切り後の武豊のコメントに、少なくともジョッキー本人のオーシャンエイプスに対する期待だけは相当なものであることを確かにさせました。「走る」「本物」「“飛べる”素材」。次々と飛び出す賛辞はいつものリップサービスのようでもあります。しかしながら武豊本人のサイト上でここまで若駒を取り上げること自体大変に稀なことであり、ディープインパクトがそうだったようにそれが武豊本人の期待の表れでもあると受け取れるわけです。
いずれにせよディープインパクトも2戦目からその評価を確かなものにしただけに、この馬の試金石もいきなりの重賞挑戦となる今週のきさらぎ賞となるのでしょう。果たしてクラシックを飛び越えて日本競馬界の新星の誕生となるのかどうか。個人的なことを言わせて貰えれば父マヤノトップガンのファンだっただけに大いに期待させていただきましょうかねw