共同通信杯

今季のクラシックシーズン本番にはまだまだ猶予が残されている、ってなわけで本日行われた共同通信杯の結果の私的総括をば。4戦4勝土付かずで重賞3連勝を飾ったフサイチホウオーはほとんど死角らしい死角が見当たりません。経験豊富。レース運びも巧みそのもの。強烈な決め脚で鳴らすダイレクトキャッチに瞬発力勝負で見劣らないどころか余裕さえ感じさせる内容で完封してみせた確かな末脚。速いペースへの適応力が残された課題となるでしょうが難なくクリアしてみせることでしょう。公営笠松より中央競馬に移籍して以来、短期間とはいえ数多くの名馬の手綱を任されて来た安藤勝が「それでも」絶賛してやまない能力は、「ダビスタ調教」とやや皮肉めいた表現で称されることの多い松田国調教師独特のローテーションにより、初夏の東京競馬場で完成を見ることになるのか。繰り返しになりますが、死角らしい死角が今のところまるで見当たりません。
ダイレクトキャッチは戦前評価された通り東京コースになって本領を発揮しました。今回ぐらい道中の行きっぷりがよければ中山コースでも好走の可能性は充分です。フライングアップルは昨秋の東スポ杯とは逆で今回フサイチホウオーに追いかけられるような展開。異なるレースをして2敗では勝負付けは済んだと見るのが妥当でしょう。注目されたニュービギニングは現状こんなものでしょう。英雄不在で新しいスター候補の出現が急務とされているのは分かりますが、いくらなんでも話題先行が過ぎるというもの。CXの競馬中継で散々盛り上げるためのVTRを流し続けた醜状に井崎脩五郎氏がアンチテーゼを示していた通り、もっと長い目で見る必要があります。
社会現象化する競走馬はドラマティックな生い立ちもしくは境遇、そして何よりも他を圧する絶対的な競走能力が必要なのですから。