汚れなき女王の行進

勉強不足で申し訳ないのですが、無敗によりGⅠを3連勝した記録はこれまでに何例あるのでしょう。もっと言えば、無敗によるGⅠ4連勝以上の記録は過去何例か? まぁ厳密に調査すれば分かることですので、今日のところは取り立てて追求しません。強調したいのは、「もし仮に無敗でGⅠを3連勝した場合、その記録は過去の事例と照らし合わせた時、どの程度の快挙なのか」という部分です。
知りうる限りではシンボリルドルフディープインパクト(無敗で3冠を達成)、ミホノブルボン(無敗のまま朝日杯と2冠を制覇)、古いところではクリフジもそうでしょう(GⅠ級扱いも無敗でオークス、ダービー、菊花賞の変則3冠を達成)。つたない競馬知識ですので他に該当する馬がいるのかどうかすら分かりませんが、記憶だけを頼りに炙り出した上記4頭の名前だけでも、無敗によるGⅠ3連勝の記録がいかに偉業であるのかがお分かり頂けると思います。
来る12日、エリザベス女王杯カワカミプリンセスがこの偉業に挑戦します。2月の遅いデビューから僅か3ヶ月で荒削りな一面を残しながらも上り詰めた優駿牝馬の座。休み明けで挑んだ秋華賞は、春よりも大人びたレース振りを披露して難なく快勝。無敗によるGⅠ2連勝は僅かキャリア5戦による達成で、遅生まれゆえの更なる成長まで見込まれるため、底知れない魅力を漂わせます。更に、カワカミプリンセスの挑戦は、無敗によるGⅠ3連勝だけでなく、02年のファインモーション以来史上2頭目となる無敗による古馬混合GⅠレース制覇の偉業までもがかかっています。
相手も不足なし。前年度覇者にして牝馬で史上2頭目の春のグランプリホースとなったスイープトウショウ天皇賞を僅差の2着に迫ったスィフトカレントに重賞で先着したディアデラノビアサンレイジャスパーら、古馬牝馬が当面の相手となりそうです。これら強豪牝馬たちを真っ向勝負のもとに下してこそ、達成される偉業も燦然と輝くというもの。1世紀近い歴史を誇る日本競馬史に深く刻みこまれるような記録が達成されるかもしれないのが、12日京都競馬場で行われるエリザベス女王杯なわけです。