枠順発表

かたや最内枠を引いたロジユニヴァース。こなた大外枠を引いたリーチザクラウン。人気を二分する見込みの2頭の枠順。最内枠が有利とする声の多い界隈は、逆に大外枠を圧倒的な不利とする空気をも醸し出しているようです。
はっきりと異議を唱えておきましょう。G1における1番人気馬の最内枠ほど、不利なものもありません。出走各馬のマークが殺到し、あわよくば馬群に閉じ込めて脚を使わせなくしてやろう、と目論む騎手がどれだけいるか。結果、誰もそのような目論みを持っていなかったとしても、騎乗している騎手自身の進境は「万が一にも前が詰まることだけは避けなければならない」といったところでしょう。騎乗馬の能力に自信を持っていれば持っているほど、その思いは強くなるはずです。ロジユニヴァース横山典弘騎手がとる戦法は極めて限られたと言って良いでしょう。しかしながら、逃げの手に出て圧勝し本番で好位からの競馬が出来るのかどうか、レース振りに課題を残したとの声も挙がった前走が、結果的に値千金。「逃げても問題ない」との自信は横山典弘騎手の最内1番枠でG1に挑む選択肢に、大きな幅を持たせたような気はします。
一方で、ある程度先行せざるを得ないロジユニヴァースを見ながら競馬が出来る大外枠を引いたリーチザクラウンは絶対的に有利です。行きたがる気性ですが暴走してまで先頭を目指すような馬でもなく、折り合いも付けられる可能性が高いです。外からの抑圧を受けない点も強調材料でしょう。ロジユニヴァースに限らず他先行馬が先手を切りきってしまえば控えれば良いし、あまり行かないようならば自分が行ってしまっても良い。切れ味鋭い差し馬アンライバルドが16番枠に入り、相手はロジユニヴァース一頭に絞って立ち回れます。
ロジユニヴァースは相手を絞って競馬をする訳にも、自分の競馬に徹する訳にもいかないでしょう。枠番抽選ではリーチザクラウンが一歩ライバルをリードしたと見ます。