高松宮記念

勝ったのは3番人気のローレルゲレイロ。五分の発馬から徐々に外のジョイフルハートを牽制するかのようなゆったりとした扶助で藤田伸二騎手が無理なく先手を奪いました。後続各馬もそれぞれが牽制し合うような形になったのも絶好の展開。道中真後ろから攻めた女王スリープレスナイトに直線一旦は半馬身ほど前に出られる場面もありましたが、上手なレース運びでお釣りも充分。持ち前の粘り腰を発揮し、最後は逆に半馬身差し返したところが栄光のゴール。ダイワスカーレットウオッカら同期牝馬の陰でバイプレーヤ−を演じる辛酸を舐めさせられ続けた現5歳世代牡馬クラシック組による初の混合G1制覇*1キングヘイローとの親子制覇も相まって、意義ある勝利となりました。
2着が1番人気スリープレスナイト。昨年快進撃を続けた時と同様に、好スタートから先手を取らんばかりの勢い。結果ローレルゲレイロを行かせてその真後ろに付ける競馬となりましたが、ここで先手を取りきってしまえば勝っていたのはこの馬かもしれません。しかしそれは結果論であって、1番人気の馬のやる競馬としてそぐわないことは明白。人気馬の責務を全うする見事なレース振りで、直線も休養明けの分止まってしまっただけに過ぎず、最も強い競馬をしたのはこの馬です。女王健在は十二分にアピールしました。
3着はソルジャーズソング。SSの遺児で既に7歳。しかしキャリア18戦で中間に2年もの休養を挟んだことのある馬。年齢の衰えどころか上積みさえ見込める素材でした。元々中京1200mは1分7秒9があり、しかも前述した2年の休養明けに叩き出した快時計。同日メインの1600万下は同条件で同タイム(!)だったことからも、実力は元より中京の馬場も得意条件でした。単勝15番人気は過小評価で、この3着もフロックではありません。4着トウショウカレッジ。1400m以下なら確実に追い込んでくる堅実派。東京1400mがベストなため、5月の京王杯SCに出走してくると面白い存在です。5着コスモベルは前走と同様、最内の経済コースを器用に立ち回ったことが奏功しました。
期待したファリダットは6着。1200mのG1でテンから気合いをつけて先行することが予想されましたが、出脚があまりにも悪すぎ自然と後方へ置かれる形に。1400m、1600mで後方から競馬をしてきたことが完全に裏目に出てしまっており、今後この馬の出走する距離選択とともに熟考、改善が必要です。その1400m、1600mで後方からの競馬を選択しても、前半ポツンと置かれて尚且つ掛かってしまう厄介な癖が付いてしまっているので、個人的にはレース振りの改善にはかなりの時間を要するものと見ております。ともかく最初からハンデを背負った競馬ではG1を勝つに程遠くなってしまうのも宜なるかな
10着キンシャサノキセキは出来落ち。ペース・折り合い以前の問題で、馬具に頼るのも疑問です。ファイングレインは休み明けを叩き調教も充分でしたが、レースでは不利を受けた如何に関わらず勝負になりそうな気配がありませんでした。

*1:クラシック未出走組ではスクリーンヒーローがJCを勝利