いち競馬シロウトの私見。武豊の復活

前回は久しぶりの更新だったわけですが、勘が鈍っていてまともな文章をこしらえることが出来ませんでした。まぁそれは中断する以前より抱えていた問題だったわけなのですが(苦笑)
休んでいる間にあった、競馬界の最も大きな動きといえば、武豊騎手の成績低迷ということになるのでしょうね。と、言ってもその2年の間にも勝利数こそ落ち込んでいるとはいえきっちりと全国リーディングを獲得していますし、勝率・連帯率も相変わらずの高さをキープしています。
各数字が落ち込んだのは事実とはいえ、どれも水準をはるかに上回るもの。それでも武豊が凋落したとここまで騒がれてしまうのは、要するに、「武豊」というネームブランドが呼び込んだ、「成績低迷」という錯覚に他ならないのでしょう。
先に申し上げておきますが、私は武豊騎手のファンです。彼の数多くの騎乗に魅了され、「武豊だからこそ勝てた」という大レースに幾度となく興奮を覚えた人間です。その一人として、武豊騎手の騎乗に以前の精彩が感じられないという意見に同意します。
ここからは、いち競馬素人の戯言にもなろうかと思いますが、続けます。武豊騎手の騎乗に精彩が感じられないと思ったのは、武騎手の馬の御し方です。レースにおいて不測の事態が起こり、人馬一体となってその事態に対処しなければならない場面での、バランスのとり方に不安定さが感じられました。それは例えばブラックシェルでの弥生賞神戸新聞杯スマートギアでの菊花賞で、強く感じられたことです。いざ追い込む動作をとろうとした時の、人馬のバランスが何やらぎこちない。日本一美しいステッキワークも、どこかもたついた動作に見えてしまう。様々な競馬考察サイトを閲覧してみても、触れられていないような些細なことなのでしょうが、私にはどうしてもそれが大きな違和感となって残ってしまった。そこに私は武豊騎手の衰えを感じたというわけです。
しかし武豊騎手が落馬骨折から復帰した昨年12月下旬以降、その違和感が消えたように思います。「騎乗ミス」との評価が大勢を占めた朝日杯FSのブレイクランアウトでの騎乗。大外から豪快に捲って出た武豊騎手とブレイクランアウトの姿から、以前の人馬一体のバランスが感じられました。これはもう、私のエゴにも似た個人的感覚が現出させた、もはや勘ぐりにも等しい考えなのですが、落馬骨折により得た休養期間のうちに、武豊騎手の腕以外に抱えていた肉体的不安要素が全て解消され、以前の人馬一体のバランスを取り戻したのではないかというもの。自信を持って言えるようなものでもない、全くもって逆説的考察(なら言うなよ)。しかし、復帰から継続して、今季の武豊騎手の騎乗から、以前の良い意味での荒々しさ、自らの進路を強引にでも奪い取りに行くかのような、攻めの姿勢が強く感じ取れるのです。人馬一体のバランスを私が武豊騎手から感じられなくなって以降、しばらく見られなかった騎乗スタイル。
チェレブリタでの今季重賞初制覇は、6番人気での穴V。調教師からの指示があったとはいえ、終始内々に進路を取り、直線は迷わず馬群の中に突っ込んでいきました。長身を折りたたんで前傾姿勢をとる騎乗フォームも迫力充分。そこから全身を使って追い込むスタイルは200勝を超える勝ち鞍をあげていた当時そのもの。今の武豊騎手からは何の不安も感じられません。
骨折の後遺症で騎乗数を制限していたとはいえ、2月1日現在で通算8勝はリーディング10位タイ。勝率は.276のハイアベレージを刻んでいます。相変わらず好調の安藤勝己騎手、そしてもはやリーディングトップを脅かすどころか奪い取れる位置にまでのし上がった岩田康成騎手らとの手綱の競い合いに、万全の武豊騎手がどう迎え撃つのか。いち武豊ファンとして、その動向を注目して行きたいところです。

しかし

偉そうにダラダラと書き込んだものだ(苦笑)
競馬ファンの目は、その一つ一つが予想家としての考察を持ち合わせているもの、というのが持論なものでしてね。ジョッキーの当人しか知りえない肉体的不安要素にまで話が及んでしまいましたが、騎手の良し悪しも予想を練る上での重要な要素ということで。他人に不快感を与えてしまいかねない文章かもしれませんので、少しばかりエントリするのに抵抗を覚えたりもするのですが、まぁ読んでしまった方はその旨(考察って部分ね)、ご理解頂けますようよろしくお願いしたします。