馬券を買う人間の側面か

ヤマニンシュクルの引退が一部で報道されています。先日のエリザベス女王杯での不利が原因で右前浅屈腱不全断裂を発症し競走能力喪失の重症を負ったとか。着外が少なく常に堅実な成績を残してきた、かつてのGⅠ馬の引き際としては、最悪ではなにしろ(何せ繁殖牝馬に上げることが出来た)後味の悪い結果となってしまいました。
同馬の引退の引き金を引く形となったカワカミプリンセスの鞍上・本田優騎手を攻撃する流れがこれで産まれてしまうのでしょうか。現に某掲示板では早くもその風潮が顕著に見られているようですが、ヤマニンシュクルのファンの方々の、好きな競走馬を故障に追い込んだあの行為を許せないという気持ちは分からないでもありません。にわかな推測など不毛の骨頂ではありますが、自分たちの大好きな馬の下手をしたら命をも奪いかねなかった行為なわけですから。
しかしながら、ヤマニンシュクルを応援する側に立たない人たちがアレコレと批判を繰り返している様は正視しかねます。本田優騎手のあの斜行自体を責めるのだとすれば、降着処分を受け、ヤマニンシュクル関係者に(直接あったかどうかは分かりませんが間接的には確かに)謝罪をしたことによりコトは済んでいるはず。本田騎手を擁護する発言に結果としてなってしまいますが、シュクルの関係者やそれらを取り囲むファンはともかくとして、蚊帳の外の人間がアレコレと物申すことなど筋違いも甚だしい話ではありませんか。降着で馬券を外したと言われる方々の言い分も、同じです。筋違い。そもそも競馬というギャンブルはそういうものであり、降着により損害を被った人間もいれば恩恵を受ける人間もいる。今回損害を被ったアナタは次回恩恵を受ける側に回るかもしれない。競馬というギャンブルが潜在的に孕んでいる、汚い側面。勿論私自身その世界に肩まで浸かりきった人間ではありますが、少し恥ずかしく思っています。

ともあれ後味の悪さとどうしようもないシコリだけは残ります。なんとも悲劇的なエリザベス女王杯となってしまいました。