サムライ

雨が煙る中での宝塚記念稍重の発表よりも力の要る馬場状態。4馬身という着差に物足りなさを感じたのはいささか欲が深すぎるというものか。ゲート、折り合いとディープインパクトが懸念とする課題をことごとくクリアして見せた上、図らずも「模擬欧州競馬」となった時計の掛かる馬場にも見事に対応。鞍上武豊は「この馬場でも気持ちよさそうに駆けていた」と振り返り愛馬の適応能力の高さに舌を巻く。我々競馬ファンからしてみれば、いよいよ日本競馬の悲願成就が現実味を帯びてきたことでしょう。


ハリケーンランサンクルー大賞でまさかの敗戦。左回りに難有りと囁かれていた通りの結果で本番に向けてことさらに悲観材料として持ち上げるべきものでもないかもしれませんが、ブックメーカー発表の前売りオッズ1番人気馬の取りこぼしは、ディープに追い風が吹いてきていることを予感させるに充分な番狂わせ。現3歳世代に目下のところ強烈な印象を残した馬がいないだけに、古馬戦線からは残すところ昨年度BCターフ勝ち馬シロッコの存在が気に掛かる程度にとどまりそう。今年度英国ダービーをキャリア1戦の身で4着したハラベックという馬が底知れぬ魅力を秘めた存在ではありますが、これもキングジョージを回避。ディープインパクトどころかハーツクライにまでも好機の到来かといったところ。


サッカーW杯は燦々たる結果に終わりましたが、日本の馬の方は着々と世界を席捲しつつあるようです。先立ってダンスインザムードアサヒライジングの2頭が米国重賞戦で大活躍を見せ、欧州ではまずハーツクライがこれに続くか。