サマーシリーズ

夏競馬の重賞競走を距離カテゴリー別にシリーズ化し、シリーズチャンピオンには褒賞金が交付される。該当レースは以下の通り。
サマースプリントシリーズ
函館スプリントS(GIII、函館・芝1200m)
アイビスサマーダッシュ(GIII、新潟・芝1000m)
北九州記念(GIII、小倉・芝1200m)
キーンランドC(GIII、札幌・芝1200m)※新設
セントウルS(GII、中京・芝1200m)

サマー2000シリーズ
七夕賞(GIII、福島・芝2000m)
函館記念(GIII、函館・芝2000m)
小倉記念(GIII、小倉・芝2000m)
札幌記念(GII、札幌・芝2000m)
新潟記念(GIII、新潟・芝2000m)

元来は英国などで実施されているサマートリプルクラウングランドスラムを模したものであるのでしょうが、日本でいえば3歳3冠達成ボーナスや秋の古馬主要中距離G13冠達成によってもたらされるボーナス賞金制度に追随した形となるのでしょうね。
これは前項で語った牝馬マイル路線充実とは逆に成功間違いなしでしょう。もっといえば、「目指して当たり前」なはずの3歳3冠や秋の古馬主要中距離G13冠なんかよりも盛り上がることは必至です。ただでさえG1シーズンの谷間に位置する夏競馬は売り上げが伸び悩む傾向にあります。そこで盛り上げを助勢するための魅力的な番組提供が必要視されていたわけですが、今回のサマーシリーズ創設はファンに対するアピールアイテムとして効果絶大ではないでしょうか。前述しましたが3歳3冠や秋の古馬主要中距離G13冠のような「目指して当たり前」のもの、言い換えれば「あって当たり前」のものに対して賞金オプションを与えるよりも、「あっても興味の的にならなかった」ものに対して賞金オプションを与えた方が目標を持った各馬の陣営のモチベーションを高めることが出来るし、そうやってシリーズ制覇に血眼になる陣営の「ガチンコ感」もファンに与えるインパクトや熱気、そして新鮮さを打ち出せるのではないでしょうか。
ただでさえ盛り上がりに欠ける夏競馬です。競馬評論家の合田直弘氏の言葉を借りれば「各レースを単なる『点』と捉えず、『線』で繋ぐことで興味を持続させることが出来る」。そういった番組形体が実はJRA関係者にとっても我々競馬ファンにとっても求めていた理想の盲点だった可能性がある気がしますが、いかがでしょうか?