菊花賞を目前に控えた水曜日

「弟は大丈夫だ!」
およそ前例のないような強さで3冠レースを全てぶっ千切り制したのが、今現在のところまでで最後の3冠馬でなっているナリタブライアンです。
その有無をも言わさぬ圧倒的なまでのパフォーマンスは、極めて単純明快かつ衝撃的でファンの心を掴みやすく、当時競馬人気がピークだったこともあいまって、社会現象とまでなりました。その大きすぎる反響はたびたび各メディアなどでも報じられ、テレビタレントの時事ネタに使用されるなど、各方面に様々な波及効果を生み出しました。関連グッズも飛ぶように売れ、ブライアンのトレードマークである「シャドーロール」も、一般のファンが業者に注文するまでに至りました。ことさらに日常生活では必要とされないはずなのですがねw
とにかく圧勝しまくるレースを見せ続けたナリタブライアンの存在感は、歴代3冠馬の中では最もディープインパクトに印象が近いように感じます。アクシデントのあった皐月賞は参考外としても、ダービーの着差は全く同じ5馬身。通ったコースもほとんど一緒。更に遡れば、クラシック前から3冠馬確実といわれていた点も両馬に共通するところです。夏負けにやられた京都新聞杯では、スターマンの強襲に屈したブライアンでしたが、本番では本来の姿を取り戻し、2着ヤシマソブリンに7馬身差をつける圧勝劇で見事3冠馬を達成しました。この年の有馬記念も制し、ブライアンには史上最強馬への道が約束されていたはずでしたが、頓挫し結局その後のG1勝利はなし。引退前の数戦で成績を落としたことが嫌われ、結局ブライアンは誰もが納得するような史上最強馬にはなれませんでした。しかし、3冠レースでのパフォーマンスは、間違いなく歴代3冠馬の中で最高のものだったといえるでしょう。
ディープが史上最強の称号を手に入れるためには、ルドルフ超えとともに、ブライアンの3冠パフォーマンスを上回る必要がありそうですね。それはそうなってほしいという僕の願望なのですが、きっと多くの競馬ファンも同じ気持ちでいるはずです。