香港の風

春に敗れた2頭はいませんでした。しかし、サイレントウィットネス陣営にとっては雪辱を晴らしたという思いが強いでしょう。17戦無敗のスプリント戦で、見事改めて香港史上最高の英雄はその実力を知らしめました。
他の追随を許さない抜群のロケットスタートを誇るサイレントウィットネスのスタートは、今回それほど速くはありませんでした。連勝中の昨季も休み明けのレースではスタートでやや後手を踏み、苦戦を強いられた経験があります。そのことを考えると今回ごちゃつく内ではなく、先行争いをゆっくり見ながらレースを進めることが出来る外枠を引いたことは好都合だったといえるでしょう。何の不利もなく3番手で脚を貯めることが出来たウィットネスは、あとは残す直線で瞬発力を発揮するだけでした。
中山の急坂は堪えたかもしれません。残り200付近になるとまずは内に寄れ、手前を変えた残り100付近では今度は外に急激に寄れました。着差を詰められたのはその分が大きかったでしょう。しかしながら文句のつよけうのない完勝。デュランダルの切れ味もアドマイヤマックス武豊の神通力も沈黙せざるを得ない強さでした。