仕掛けどころは

武豊はどのようにレースをしようと考えているのでしょうか。
スタートでよほどの出遅れがない限りは焦ることもないでしょう。道中は春先まで見せていた掛かり癖を矯正しながらの追走に終始するか、あるいは宝塚記念で著しく成長したところを見せた、愛馬の息の抜けた走りにどこで仕掛けるかの判断に神経を研ぎ澄ませるのか。
いずれにせよ、その仕掛けどころは果たしてどこになるのでしょう。
春の天皇賞で度肝を抜いた大捲りは考えにくいところです。コース形態こそ京都競馬場に似ているとはいえ、比較にならないほどのタフさが要求されるロンシャン競馬場では、ジックリと構えて他馬の動向を窺いながらデリケートにスパートをかけることこそが無難であるのは明白。この大舞台であるからこそ、必要以上に慎重になって欲しいものです。
。。。というのはあくまで一般論で言えばの話です。個人的な願いとしましては、武豊には天皇賞のように一揆の捲りを敢行して欲しい。動かぬことが常識であるはずのフォルスストレートで、いや、それどころか、3コーナーの下り坂で、一気に過去30年で最高と呼ばれる海外の強豪馬たちを大外から飲み込んでしまって欲しい。ディープインパクトにはそれが出来る能力があると信じています。
「無謀」が「可能」であるのが、我々が日本で見てきたディープインパクトなのだから。