弊害

敗因はなにか。「地の利」なのか。
鞍上クリストフ・ルメールは4ヶ月の休み明けを敗因に挙げました。日本の検疫制度では2ヶ月以上の海外遠征は着地検疫に大幅な時間を取られることとなります。欧米各国ではありえない長さで、過剰な防疫制度が海外遠征の足を鈍らせているのは今日までの前例と、ハーツクライディープインパクトの慌ただしい海外遠征ノスケジュールが証明しています。ハーツクライに長期の海外遠征が許される制度が適用されていれば、キングジョージの前にひとつステップレースをはさめていたかもしれません。一方でジャパンカップに招待する外国馬は例外で、検疫期間も日本馬と比べればはるかに短いらしく、あまりに理解しがたい「ねじれ」が生じています。
ハーツクライの海外挑戦はこれで終了。帰国後はジャパンカップを目指すといいます。出来れば海外にとどまって、来日するかどうかも分からない相手を待つよりも、自ら挑戦状を叩き付けて欲しかった。
これも、日本の検疫制度がもたらした弊害、外国馬の「地の利」であります。