高松宮記念

オレハマッテルゼの初G1勝ち。柴田善富騎手の好騎乗がもたらした勝利といって間違いありません。抜け出すとソラを使う癖を手中に入れ、ジックリと馬群を抜け出すタイミングをはかったのは非の打ち所がありません。やや型にはめた乗り方をする彼の騎乗スタイルには「こうやって乗らなければ勝てない」という同馬の悪癖がむしろ幸いしたかもしれません。
しかし、ドングリの背比べ的な聞こえの悪いメンバー構成が囁かれたこのレース、着順がそのまま快速馬の実力と呼ぶにはまだ早計な気がします。
1番人気のシンボリグランは6着。ミルコ・デムーロの明らかな騎乗ミスにより勝てる星を逸しました。スタートは前走に比べればまだ出た方。そこから押っつけて先団に取り付こうとしなかったのは何故でしょう。パトロールフィルムを見る限りでは前に入れないスペースがないわけでもありませんでした。そこからは全てが裏目。ペースが落ち着き進路も塞がり、1200mでありながら行きたがるシンボリグランをなだめながらの追走に終始。直線は外を回って追い上げをはかりましたがそこも壁。スペースの大きい内側を付いた馬達が伸びる中、全力で追えたのは残り200mを過ぎたあたり。レース全体の上がりが34秒3では最速の33秒6を記録しても届くはずはなく、更に最後はカネツテンビーを外に弾き飛ばして審議の対象馬となってしまう大失態。何年も来日を繰り返し日本競馬を経験していながらいまだにこのようなラフプレーに走るジョッキーにはプロとしての意識すら疑念を抱いてしまいます。
中間の調整を巡って様々なことが言い沙汰された畠山吉宏調教師ですが、辛らつ極まりない発言をすれば、ミルコ・デムーロを鞍上に迎えたことが最大のミスでした。