藤沢ブランド

やはり難しいです。
日曜日の札幌クイーンSでのダンスインザムードの惨敗。管理する藤沢和雄調教師からしてみれば、これ以上桜花賞馬の名を汚すことは出来なかったでしょうし、僚馬ゼンノロブロイの海外G1制覇に勢いをつける意味でも負けられない一戦だったと思いますが、なかなかどうして、上手くはいかないものですね。
レースぶりは酷かったですね。2番手で終始掛かり通しで、息の入る場面がまるでありませんでした。鞍上藤田騎手がゲ−トを出てすぐに気合をつけるような手綱の操作をしたのも馬の気をはやらせた要因の1つでしょうが、それにしても藤沢和雄厩舎の馬は安定して走ってくれない馬が多くて、馬券師泣かせですね。
一般的な調教師は、馬を少しでも御しやすくしようと厳しいしつけを管理馬に課します。藤沢調教師は馬をのびのびと育てる理念からか、あまりきついしつけや扶助を行いません。しつけのなってない子は大人になってからが厄介だ、というのは人間社会の通説ですw 厩社会にそれをそのまま当てはめるのは筋違いもはなはだしい話ですが、そういう人間社会の実例を踏まえてしまうと、藤沢流の馬の育て方に対してですら一抹の疑念を抱いてしまわないこともありません。ただ、前述したような厳しいしつけ、悪く言えば縛り付けた育成方法を施していないことが、馬が競走に対して貪欲な意識を促し、結果として勝負強さを増進させたり、高齢になってもモチベーションを失わず競走生活を続けさせることが出来るというメリットを生みます。そして、ソレが功を奏して、藤沢厩舎が何年もリーディングトップをキープしているのは揺るがしがたい事実です。「藤沢ブランド」の所以たる部分でもあります。
しかし、馬のタイプは千差万別。いくら理にかなった調教理念といえどその馬の性格にそぐわなければ、時に「過保護」な育成に繋がってしまいます。「過保護」に育てられた馬はどうなるか。人間社会に当てはめた解釈の繰り返しになりますが、「過保護」に育てられ他人の言うことを聞かない自己中心的な人間になった子供がそのまま大人になったら厄介きわまりないです。するとダンスインザムードや古くはゼンノエルシドバブルガムフェローなどようにムラ駆けする馬が世に出てきてしまいます。これらも総じて「藤沢ブランド」と呼ばれたりします。。。w


藤沢ブランドは使いこなしの難しい、ちょっと高尚なシロモノだといえるでしょう。