もう1頭、2頭?のディープインパクト

英国ダービーはジョン・ムルタ騎乗のモティヴェーターが優勝。6年前の凱旋門賞で日本のエルコンドルパサーを下したモンジューの産駒だ。
映像を直接拝見したわけではありませんが、道中2、3番手の好位につけて直線は5馬身もの差をつけたというのだから圧勝ですね。戦績も4戦4勝と負け知らず。欧州にもディープインパクトな馬がいたわけです。競馬のメッカ、エプソム・アスコットに衝撃波が駆け抜けた、といったところでしょうか。それはこじつけが過ぎるか。


欧州3冠。それは日本とは違い、7月のキングジョージから10月の凱旋門賞へと続く激戦を古馬を交えながら戦い抜かなければならない過酷なロード。その全てを勝ち抜いたときにはじめて手にすることができる栄光は、過去の歴史を振り返ってみてもミルリーフ、ラムタラの2頭しか達成した馬がいない偉業中の偉業です。
4年前に英国ダービーを4馬身差圧勝し、久々の3冠馬を確実視されたガリレオは、7月のキングジョージも快勝し、さぁ欧州3冠と高まった機運を尻目に、米国のBCクラシックに照準を転換。あえなく夢は潰えました。今回、そのガリレオを上回る着差でダービーを制したモティヴェーターは欧州の競馬ファンが切望してやまない3冠の期待を一身に背負うことになるはず。まだ路線が確定したわけではありませんが周囲が頬放っておくわけがありません。その全てで後続を突き離すような圧勝劇を演じることができれば、今度は遠い島国日本で欧州のディープインパクトと呼ばれる日が来ることでしょう。


一方で、8日に大井競馬場で行われる東京ダービー。こちらにもディープインパクトが存在します。羽田盃の勝ち馬シーチャリオット。昨年暮れの全日本2歳優駿でただ1度の敗戦を喫してはいますが、勝利した全レースが圧勝に次ぐ圧勝。走るたびに馬体も増え、成長し続けている点も怪物を予感させる。今回のレースも恐らく日本ダービーディープインパクトが得た単勝支持率73.4%に迫るだろう人気を集めるはずだ。


巷では久々に現れたとてつもないスーパーホースに湧き上がっていますが、それは何も中央競馬に限った話ではありません。競馬界は各方面でスーパーホース誕生に揺れに揺れています。