安田記念

93年度より国際G1として外国馬に門戸が開かれた同競走。今年は世界的な承認を受け競馬先進国の知名度も飛躍的にアップし、なおかつ香港競馬と提携した『アジア・マイル・チャレンジ』実施に伴って、海外から多数の強豪が集結すると予想されていた。
結局外国から参戦してきたのは香港から3頭のみ。数字だけ見ると当初の期待を大きく裏切られたように思えるが、その3頭はどれも名うての強豪ぞろい。
その筆頭角はこの日誌でも再三紹介してきているサイレントウィットネスだ。言わずとしれた香港の史上最強スプリンター。デビューから連勝を積み重ね、シガーにサイテーション、そして『イルピッコロ』の異名を取るイタリアの名馬、リボーを抜く17連勝の金字塔を打ち立てた。前走、香港チャンピオンズマイルで記録はストップしたものの、先行馬総崩れの流れを引っ張り、ハナの差2着に粘った底力は負けてなお強しの印象だった。しかし今回は陣営のボルテージが低い。トレーナーであるA・クルーズ師が「この馬は短距離馬だ」とコメントし、僚馬ブリッシュラックを持ち上げる趣旨の発言をしたことを受け、前売りオッズも10倍超えという地元香港では考えられないような高い数字をつけてしまった。確かに距離もそうだが、硬い馬場への適性など、懸念材料が多いことは間違いないが、ゲートから体を真直ぐにして飛び出す天才的スタートセンスを生かし、仮サクの取れた内側を道中スイスイと進んでくれば、香港史上最強スプリンターの本領が生きるはずだ。個人的見解として、今回の前売り人気は過小評価だ、と付け加えておこう。

予想

ダイワメジャーを本命に推す。
昨年の皐月賞で早め先頭から追い込んでくるコスモバルクを抑え、堂々の優勝を飾った同馬だが、前残りの流れを人気薄の馬が粘りこんだ程度と見られたか、当時はその実力をさほど評価されていなかったように思う。
しかし、前走ダービー卿CTでは前半57秒台という早い流れを掛かり気味になりながら2番手で追走。直線はそれでも坂下から早めに先頭に立ち、最後は突き放して見せた。喉の病気で昨秋は思うような成績を残せなかったが、皐月賞時の強さを完全に取り戻していた。
今回仮サクが取り外され、内側がグリーンベルトとなるコース形態は先行集団につける同馬にとっては間違いなく有利に働く。2枠3番も絶好枠だ。
後は善臣大センセイ次第、ということになる(爆)