netkeiba観察

競馬は本当に奥が深いスポーツです。同じ馬に対する評価にも人によってこれだけの違いが生まれてくる。
netkeibaリーチザクラウン掲示板
私見としてリーチザクラウン皐月賞惨敗の原因を付記させていただきますと、本番前に戦法を確立出来なかった点も特筆すべきと考えます。番手からの競馬はメイクデビューのみ。当時は馬も競馬を理解していなかった時期でしょうから、レースに対して前向きな気持ちを前面に押し出すこと自体、無理な話です。3着に敗れたブエナビスタ安藤勝己騎手も同じようなニュアンスのコメントをレース後に発していたと記憶しております。当然、勝ったアンライバルドにも同様のことが言えるでしょう。
2戦目からがリーチザクラウンの本来の姿。カッとなりやすい前向きな気性を前面に押し出し、先行集団を目指して行く。未勝利戦では武豊騎手もまずは不利なく勝ち切ることが先決とばかりに馬の行く気ままに競馬をさせたようですが、千両賞以降もこの馬より速くそして逃げる馬が居ないレースへの出走を続けざるを得なかったことが、皐月賞本番において仇となってしまった気がするのです。そこにはペースが速くなりさえすれば、番手で抑え込めるという陣営の確信もあったのだとは思いますが、現実は違いました。ペース如何に関わらず、自身よりも前に馬がいることの妥協出来ない、前向きというには前向きすぎる気性を持った馬でした。只でさえ並みの馬であれば息の入りにくい速い流れを、完全に引っ掛かりながらの追走。13着に沈むのは必然の暴走に等しい内容でした。
この失敗への伏線はもう一つあります。昨年暮れのラジオNIKKEI杯。武豊騎手が執ったのは未勝利戦同様馬の気分に任せて逃げられるだけ逃がす作戦でした。速いペースを刻みながらも単騎の逃げに持ち込むことに成功しましたが、結果はロジユニヴァースに4馬身という決定的な大差を付けられての2着でした。武豊騎手はレース後「今日は走らなかった」と、体調もしくは精神面を敗因にあげるニュアンスのコメントを残しましたが、陣営は「逃げの競馬では限界がある」とレース内容を解釈したようです。きさらぎ賞でも出来れば控える競馬をと武豊騎手にオーダーしたのはそのためでしょう。一方の武豊騎手はレース後も「逃げちゃダメなんですか?」とコメントしていましたが。
以上のことから、抑える競馬での失敗を皐月賞前に経験出来てさえいれば、執るべき選択はまた違ったものになったのではないかと考えるわけです。幸い、全てのホースマンの目標である大一番日本ダービーを前に、その大きな失敗を経験することが出来ました。騎手・調教師ともにレースで執るべき選択は一つに一致していると聞きます。その逃げがスローに流れれば、ワンサイドで勝ってきたこれまでの内容からも、当然勝機となり得るはずです。リーチザクラウンの巻き返しは充分に可能だと思います。