シーザリオ勝利

結果は当然。しかし内容は見るに耐えない酷いもの。福永祐一自身も騎乗ミスを認めたように、レースのキーポイントとなる部分で巧く立ち回れていたらもっと楽に勝てた。
位置取りが悪くなったのは仕方がない。たとえスローペースに流れても同馬の瞬発力と直線の長い東京コースを考えれば何も問題ない。しかし道中シーザリオの周囲を固めたのは横山典弘内田博幸といった歴戦の名手ぞろい。そうやすやすと圧倒的1番人気を行かせるわけがない。ビッシリと馬体を併せられたシーザリオは多少行きたがっていたがため折り合いに専念する必要もあり、前に進出することが出来なかった。
しかし3、4コーナー中間地点で前を進んでいたケント・デザーモ騎乗のディアデラノビアが徐々に前に進出を開始する。その瞬間、真後ろを進んでいたシーザリオに絶好の機会が生まれる。取り囲んでいた馬群の隊列に若干の乱れが生じたのだ。時はすでに残り800mを切ろうとしている勝負どころ。仕掛けるなら今しかない。しかし、福永祐一はここで動かなかった。これが騎乗ミス。
進出する機会を失ったシーザリオは直線まで我慢するより他に術がなく、4コーナー出口では内外の馬2、3頭と激突した。ここが福永祐一が「馬に負担をかけた」と言っていた部分だろう。結局能力だけで勝つことが出来たが、一歩間違えていたら桜花賞のニの舞になっていたかもしれないと考えるとゾッとする。目下年間G14勝と飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ちまくっている福永祐一ではあるが、まだまだ未熟ということか。