安田記念2

2着ディープスカイウオッカの後方に取りつき流れに乗った道中。常に気持ちを前面に押し出しながら走るウオッカが何かアクシデントでもない限りは後方に下がってくることはありえず、狭い馬群の中に位置しても至ってスムーズな追走。この時点で既に四位洋文騎手の好騎乗と評価出来るのですが、更に直線他馬がウオッカをマークするが故に密集した内側の馬群から、只一頭抜け出せるスペースを探り当て、尚且つウオッカを外に追いやって馬群に詰まらせる一石三鳥までやってのけました。騎乗だけで言えば出走全騎手中ダントツでほぼパーフェクトな乗り方。
しかしレッドディザイアでのオークスの時と同様。今の完成されたウオッカの前では四位騎手の完璧な騎乗も、それに引き出されたディープスカイの高い競走能力も、相手が悪かったという一言で片が付けられてしまいます。プラス14kgの馬体重からも分かるとおり、次走宝塚記念を見据えた仕上げだった点に救いを求めることは可能ですが、レース後に残ったのは如何ともし難い実力の格差。ウオッカ宝塚記念出走を表明して来ない限りは主役でしょうが、もし出走してくるとなれば逆転には相当の努力を要することとなりそうです。実力は示しました。
3着ファリダット。道中後方に置かれてしまうのはいつもの通り。そこからでも掛かってしまうのがこの馬の厄介な気性なのですが、久々の騎乗だった安藤勝己騎手はその傾向を掴んでいたのか、上手になだめて最後方ながらも折り合いはピタリと付いていました。直線は外目へ突っ込んで行き難なく馬群の隙間を縫って出てあわやのシーンを演出。先行馬が速いペースを刻んだとはいえ、展開で恵まれたとは言い難い内容。G1級で通用することが分かった点が何よりも収穫です。
4着カンパニー。速いペースに慌てることなく後方で待機し、終始スムーズな競馬。昨秋天皇賞でタイム差なしの4着に飛び込んだこの馬の瞬発力が鞍上横山典弘騎手によって存分に発揮されましたが、またしても4着。G1獲りには実力プラスαが必要ということなのでしょう。高齢ですがまだまだ衰えを見せていないため、あきらめて欲しくはありません。
7着に3番人気のスーパーホーネット。スムーズな競馬が出来たとは思いますが、伸び切れませんでした。ひょっとするとスローの追い込み馬なのかもしれません。速いペースに末脚を削られた印象だっただけに。
9着スマイルジャックは出負けから一か八かの後方勝負。直線は最内に突っ込んでギャンブルに打って出ましたが、前の馬に躓いて審議の対象となってしまい完全に裏目に。手応えが良かっただけに残念な結果でしたが、この馬自身も力をつけてきており、今後が楽しみになりました。